写メ日記
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2024年5月16日 22:05 の投稿
その人は、ことばを忘れてゆく。
名詞、形容詞、動詞。
言葉を思い出せない。
言葉が言えない。
だから話すことができない。
忘れてしまう。
だから僕が一つひとつ教えよう。
これは空、
これは薔薇。
これは風。
これは光。
これは秋桜。
https://www.youtube.com/watch?v=1O3ON3lDNsc&t=6s
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2024年5月15日 21:05 の投稿
高校のころ、自転車に乗って家出して日本を一周した。
川のほとりや海辺でテントを張り、あてのない旅を続けた。
波の音を聞きながら、星空を見あげて眠った。
家もない、何もない。
何もないことがたまらなく愉快だった。
今も南の島で野宿することがある。
何もないことが幸せだったりもする。
ところで、あなたは…
https://www.youtube.com/watch?v=2jIzDiAbI0o
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2024年5月11日 21:05 の投稿
私を産んでくれてありがとう。
光を見せてくれてありがとう。
無でよかった。
そんなこと思っていないよ。
生まれ出てよかったよ。
つらいことはたくさんある。
今、この瞬間にも。
けれど、喜びもある。
つらいことばかり避けていたら本当の歓びなんてない。
苦悩を突き抜けたところに、本当の歓びがあるから。
https://www.youtube.com/watch?v=z2bVk_nP9JM
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2024年5月5日 06:05 の投稿
重度の身体障がい者の施設でも働いています。
40歳の女性。
目が見えません。
知的障がいも持っています。
一歳以下の知能しか持っていません。
一日中、四畳半くらいの部屋で隔離されて過ごしています。
家族は面会にも来られません。
私たちは手引きして散歩に連れて行ったりもします。
その時、彼女は手をぎゅっとつないできます。
話すこともできない。
意思を伝えることができない。
それでも何か伝えたがっていることが、ぎゅっとつないでくる手から感じられます。
何のために生まれてきたのだろう。
何のために生きているのだろうって、そう思ってしまう。
それは、そのまま自分自身にも言えます。
この世に生まれ出たこと、老いてゆくこと、死ぬこと。
生まれることは、その苦しみを負うことになります。
いま、薄っすらと夜が明けてきます。
暗い空が、透明な強いブルーへと移り変わってゆきます。
すべては流れ、変わりゆくものたち。
愛も。
だから、ほんのつかの間。
私たちは手を握ったり、身体を交えたりするのでしょう。
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2024年4月28日 04:05 の投稿
学童保育で私は特に障害を持った子どもの世話をしている。
そういう子どもばかりを受け持つようにさせられている。
ほかの女性は、障害を持った子供よりも、普通の子どもの方がいいからだ。
やがて、その子供の母親が迎えに来る。
彼女は日本語がしゃべれない。
心配そうな顔をしている。
だから、つい私は言ってしまうのだ。
「お母さん、大丈夫ですよ」
私はにっこり笑う。
実際は、その子どもは暴力ばかりをふるっている。
だが、私のひと言で、母親は安心したように微笑む。
彼女だって、いろんな理由があって日本に来ている。
そして、子どもを預けて働いている。
風俗の仕事なのかもしれない。
けれど、私はそのお母さんのことが好きだ。
五月の連休。
彼女と二人、暮れてゆく空の果てを眺め続ける。